書評 「わが戦争に対処せる工夫の数々」
これは青空文庫にある作品数である。
宮沢 賢治 276
芥川龍之介 377
菊池 寛 81
吉川 英治 130
少ない割に存在感を発揮する菊池 寛が凄いことがわかる。何が言いたいかというと、
坂口安吾が私の邪魔をする。
検索を辿ると出てくる坂口安吾。
坂口安吾
【486】
多作すぎる。星新一には敵わないにしても、彼の方式はショートショートではない。
囲碁と検索すると出てくるし、恋愛論を語っていたりする。やたら彼の作品が多いのは、驚愕すべきことかもしれない。
彼の生涯は真似したくないなと思いつつ、「わが戦争に対処せる工夫の数々」を読書する。
「私は兵隊がきらひであつた。戦争させられるからではなしに、無理強ひに命令されるからだ。」
というのは、坂口安吾だけでなく誰もが一度は思い浮かべることだ。「無理強ひに命令されるからだ」というのは当時の価値観でもあったのだ。それが知れることでも貴重な作品であろう。
《だから「絶対に死なゝい」工夫は有り得ない。》
というのが彼の価値観であって、こっから坂口安吾は作品を怒涛の勢いで綴って《水風呂》というオチで終わらせるのであった。
「B29といふ厭にスマートな文明の利器」という表現が坂口安吾らしいと思った。
青空文庫